宝塚花組『相棒』&米沢祭りの一夜
宝塚花組東京特別公演『相棒』を観てきました。(01.19@日本青年館)
演出は、歌劇団の石田昌也氏。石田氏は坂本竜馬を主人公にした『硬派・坂本竜馬』『維新回転・竜馬伝』(海援隊が踊る)
白洲次郎が主人公の『黎明の風』(堀内孝雄の曲で特攻隊が踊る)、岩崎弥太郎が主人公の『猛き黄金の国』(作業着姿の三菱技術社員が踊る)蒲田行進曲を題材とした『銀ちゃんの恋』(大部屋俳優が……もういいですか)などなど、宝塚において、ファンタジーよりも「男を主人公にした男くさい話」をよく担当しているので
この人選は「さもありなん」という感じでした。
証拠品として押収した白衣などを返すため、道玄板(坂でなくw)病院に向かった右京(真飛聖)と神戸(壮一帆)はそこで立てこもり事件に巻き込まれる。
犯人を説得してしまう右京…だったが、それは警視庁の訓練だったのだ。
エッ、訓練?!となったところで、「相棒」メインテーマ。
内村、小野田、右京、米沢、捜一トリオがテーマに合わせてかっこよくダンス。
米沢役の華形ひかるがまた足が長くてダンスが上手い。米沢なのに……これだけで無性に笑える。
続いて、ミニスカ婦人警官(石田先生の趣味・断言)に囲まれ、クールな神戸が登場。
そして二人がメインとなって軽快にダンス!!
この振り付けは「オヤジダンサーズ」のパパイヤ鈴木。なんとなく動きもオジサマっぽくてとても良かった。
※素晴らしいシーンですが、DVDでは「音抜き」あるいは「音楽差し替え」になるかもです。宝塚はプロダクツに関しては使用料を
絶対に払いません。テレビ朝日が許可すれば別だけど。
正面に、二人のシルエット・ロゴの「ドロップ」幕が出て場面転換。
●訓練のシナリオを書き換える杉下にあきれる神戸に、課長の角田は歌で右京のプロフィールを説明。
♪東大法学部を出て〜ロンドンにいた経験も〜的な。
●警視庁では内村が小野田に特命のいまいましさを訴える。小野田は♪特命係を利用しよう〜と歌う。
●迷い犬を拾ってかわいがる右京と道でばったり会うたまき。(2人の関係を示唆)
この舞台のゲスト・キャラ 交通課のお局・初姫さあやの紹介など。
●ミニスカ婦人警官たち、「結婚するなら警察官よ」と歌う。♪安定した職業〜身元は安心〜でもこどもの運動会・授業参観にはきてくれないかも〜
「それじゃ、伊丹刑事なんて、どう?」
「♪いやよ!あの歳まで彼女なし!女の扱いわかっちゃいない」
「鑑識の米沢さんは?」
「♪奥さんに逃げられ、オタクになった〜」「きも〜♪」
でも彼女達が話していたのは取調べ室だったのだ。
「ってコトは、向こうからはまる聴こえ〜?!」
ガラスの向こうで恨めしい顔をしている伊丹・米沢・内村。
伊丹「だめだ…いまから結婚相談所行ってくる……」
などというお笑いシーンもありました。
伊丹刑事役の真野すがた、演技力でほんとに「イタミン」にみえたよ!!イタミンファンとしては大満足。
めちゃくちゃかっこいい角田課長(未涼亜希)、ちゃんと「パンダのカップ」でコーヒーを貰いに来ていました。(細かい)
本篇は『Wの悲喜劇』(みてないです)を下敷きにした物語なっていて、石田演出では割と、宝塚ファンが引くようなドギツイ殺人シーンがあるのですが、今回は作品の世界観のなかでうまく処理されていました。
(とはいえ、夫を中毒にしながらピアノを弾く桜乃彩音の狂気の演技はコワかった。桜乃は「キハ」をやってからガゼン上手くなった)
休憩時間に、携帯で「ほんものの米沢がきててさ、見ちゃったよー」といっている女の子がいたので、すぐさま1階におりると…
売店前に米沢守役・六角精児さんが!!!これ、嬉しいよねー。右京、神戸の次ランク「主役」といってもよい存在だもんね。
テレビで見るより、小さい(顔も背も)印象。
しばらくして、売店前で握手攻めにあう六角さん。
私も近くまでいったけど、悪いので遠慮しました。
●二幕目では、暴漢を追って客席に降りた角田・神戸が六角さんの席に行き
「!?米沢?」「まさかな」
なんてサービスシーンも。
そしてカーテンコールでは「本日はドラマ『相棒』の米沢守役、六角精児さんがおこし下さっています!」に会場代興奮。
まるでイ・ビョンホンがきたかのように黄色い声をあげまくる観客!!そして出演者!!
真飛さんの「楽しんでいただけましたか?」に「楽しかったです!」と明るく答えてくれた六角さん……いいひとだ!
とにかく、男性客も多く、新しい客層も獲得できて満席、宝塚にとってもまたひとつ良い題材が増えたという印象でした。