『茶々〜天涯の貴妃』観ました

金曜日、咳ゲホゲホで、会社の人に「細菌兵器 」と言われながら、劇場に行きました。

公開されてから日数も経っていましたが、主演の和央ようかのファンがチラホラ。なんとなく活気に満ちた客席です。

映画は、井上靖の『淀どの日記』をもとに、戦国時代を強く生き抜いたお茶々を描いています。

まず、大阪冬の陣で鎧を着て闘った淀が(汗)、打ち掛けに着替え、和平交渉にきた妹お督との会談にのぞむシーンからはじまります。
戦国の世をはかなむ、三姉妹の中の姫お初(常高院)がナレーションで、回想シーンへ。

戦に破れ城を追われたお市の方と、三人の娘が信長の元に帰り、柴田勝家の城に行ってもまた負けてしまい…。
三人の幼い姫は、自害した母にとりすがり泣きます。

お督(後の千姫と家光のママンね)「母さまと一緒に死ぬ」
茶々、妹の頬をぶって
茶々「聞いてなかったの?生きろって、言っていたじゃない!」

(おもいっきり現代口語)

そして燃える城の中を身を寄せ合って逃げる三人。

(どうでもいいですが、少女時代のお督は和央ようかのマネージャー、花總まりに似ています)

そして成長し、174センチの長身姫となった茶々は、
渡部篤郎演じるそこそこいい男の秀吉の側室となり、戦国の世を生きていくのでありました。

やがて家康に攻められた時は、二十三歳となった秀頼のママンである淀が黒い鎧に身をつつみ、馬に跨り軍勢を前に叫びます。

「シュトワイヤン、バスティーユへ!」

じゃなかった、「戦を恐れる者は去れ!ここは我らの死に場所にあらず。生きる場所なり!!!」

かっこいいぞ淀君!!

男の中の男!!(はげしく違う)

誰よりも強い!!これでこそ和央ようか

定期預金増やしちゃうよー!!(…関西アーバン銀行…ただし映画への協賛はなし)

しかし、やはり時代の波には勝てず、千姫をよろしくと侍女お菊に託し大阪城ごと自爆(こっぱみじんに破壊)する茶々なのであった。

……ええとね、あなたが少しでも和央ようかのファンであるならば、十分に楽しめます。
(初の女性役ながら、気品、母性が表現されていてよかったです!)
が、そうでないならば、お薦めできません!!

ただ、人海戦術で繰り広げられる合戦シーンは大迫力です。
(凄惨な合戦シーンと、お市の方役に原田美枝子を起用している点は、黒澤明へのオマージュを感じました)

ミニチュアで撮影された爆発する大阪城もみものです。

そして、秀頼勢の頼みの綱は、家康の本陣に奇襲をかけた真田幸村なのですが、これを、平成のへっぽこ仮面ライダー、朝ドラでヒロインとの挙式前に出奔した旅館のバカ息子倉田正巳、月9でもヒロインと結ばれなかった、実写版セーラームーンのゲーセンのお兄さん(この役もほんとにどーでもいい)、沖田浩之にちょと似てる、黄川田将也が演じていて、家康を討つ直前にあえない最期。

火縄銃で蜂の巣のように撃たれ血まみれに。

「淀どの、命だけは…(ズガーン)命だけは大切に」

とは言いませんが、『ベルばら』のアンドレ並みに撃たれます。

(黄川田よ、どーしておまいの役は…)

この作品でも見事なかませ犬だったわけで、黄川田ウォッチャーの私だけは大笑い、大喜びできました。

あとさ、茶々が大阪城ただひとりの男、並みに強い女性として描かれているのならば、妹お督は可憐なヒロインにするべきところ、寺島しのぶを起用している。

わかってないなあー。

そして、千姫谷村美月、姫装束がおそろしく似合わない。
一番キレーだったのが、ちょい役のおまあの方(吉野公佳)で、どうするよ!

茶々‐天涯の貴妃―和央ようか写真集

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淀どの日記 (角川文庫)

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和央ようか in 茶々 [DVD]

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