【文房具 】消せるボールペンの売り場が消えた

 文具メーカーPILOTが昨年発売した「フリクション・ボール」というペンが凄い。何が凄いと言って、
「消せて、また書ける」のである。


ちょっと水っ気の多いインクで万年筆っぽい書き味。表面が乾いたら、キャップに付いたラバー部分でこする。すると摩擦熱で文字が魔法のように消え、紙は何事もなかったかのように白さを取り戻すのである。この「消す」という動作がなんとも楽しく、蛍光マーカーも買ってしまった。

が、日常的にマーカーを使う事もないし、目的は「消す」ことなので本末転倒なのだが。手帳に無駄に花など描いては消し、一人で愉しんでいる。

飲み会には紙も持参、かわりばんこに消し座も盛り上がるのだが、皆口を揃えて「こんなペン初めて知った!」と言うのだった。
フリクションシリーズは昨年、業界の「文具大賞」を受賞しているし、テレビCMもやっているので、私だけが遅れて知ったと思っていたがそうではなかった。文具界最前線にいるはずの事務員達が製品を知らない背景には文具店の激減がある。
オフィスの文具はいまやインターネット通販か100円ショップ、大型量販店で購入するのが主流なので、店頭で実物を見る機会が無いというのである。主流でないからか、生き残った文具店も諦めムード。品揃えが悪く店員も質が悪い。が、商品の進化はめざましいので、機会があったらぜひ文具店で試し書き、そして消してみてみて。