「痛い顔」の国民性

 映画「SAYURI」を観た。身長180センチで髪を腰まで垂らしたゲイシャ・ガールたちが住んでいる都(何故か英語圏)の下女・千代はある日、少女歌劇を観に行く途中のカタコト英語のおっちゃん(渡辺謙)にウメとサクランボのかき氷をおごってもらい恋に落ちる。
(落ちるか?)

SAYURI [DVD]

SAYURI [DVD]

もう一度あの方に会いたいと、千代は芸者「さゆり」となり歌舞練場で梅沢富美男のように芸を磨くのだった・・。こんな愉快な映画で気づいたことがひとつ。日本髪を結うシーンや足に傷をつけるシーンで、さゆり役のチャン・ツイイーが美しい顔を大破壊、ものすごく下品に顔を歪めたのである。日本人女性、とりわけ芸者ならば、痛い時も涼しい顔をするよう努めるものではないだろうか。

着物や髪型で「日本人女性」を造り上げていたのに、表情を指摘する人はいなかったのか。物語世界がだいなしになるほどの「痛い顔」であった。