かわいそうなオバケのスー

 まず子供を産む人が少ないし、壊れた親は産んだ端から殺してしまうし、犯罪が怖くてひとりで外を歩く事もさせられない。日本はこどもが住み難い国になってしまったようである。

お子さんが居る人は大変ですね、ってひとごとかよ!いやいや、せめて児童向け作品を真剣に検証してみました。
 子供を犯罪から守るためのセコムのサービス「ココセコム」のCMに、「おばけのスー」というキャラクターが起用されている。通学する子供はひとりに見えても、実はおばけのスーがいつも一緒にいて守ってあげている(システムが監視している)という事を示す実写とアニメの合成作品だ。藤子不二夫の「オバケのQ太郎」のキャラ、O次郎にそっくりなスーが、子供と楽しそうに歩いている。

が、スーに魔の手が忍び寄る。公園にいたラジコンを持ったおじさんが「もっと玩具があるから、おじさんの家に行こう」と誘う。
汗びっしょりになって緊張し、やっとのことで「お、お母さんにきいてからにします」と答えるスー。

しかし、ちょっと待って欲しい。

スーは人間の子供ではない。オバケだよ!オバケなら空だって飛べるし、どこにだって行けるんじゃないのか。
なんでスーが、ただの人間のオヤジをあんなに恐れなきやならんのだ。
人間の子供に迫り来る危険を再現するとドギツイ描写になってしまうから「オバケ」にしたのだろうか?気持ちはわかるけど、
童話的見地が破綻してしまう。危険に対して敏捷な「小鹿のスー」とか「うさぎのスー」とかでは、だめですかね?


白いおばけのスー―親子で学ぶ防犯絵本

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